「魔法のチョーク」、「事業」 / 安部公房

こんにちは、コタローです!
さて、来週はちょっと遅れての夏休み。

さて、安部公房さんの「壁」から2つの短編の紹介。

「魔法のチョーク」 / 安部公房 『壁』

主人公の画家 アルゴンは、世間に見放され、稼ぎもないため画材の
一切を売り払い無気力な生活をしている。
その彼の手に不意に一本の赤いチョークが現れる。
そのチョークは部屋の壁に描いたものが実体化できる不思議な
チョークであった。

『最初の一週間、彼はこの無限性をはらんだ世界の設計を想って、
もんもんの日を過ごした。
部屋には再びキャンバスが立ち並び、テレピンの匂いが立ち込めた。
何十枚もの下図が積み上げられた。しかし考えれば考えるほど、
問題はどこまでもおしひろがって、ついには彼の手には負えそうにも
なくなるのだった。
思い切って、偶然にまかせようと思ったが、まあ待て、それでは折角
新しい世界を手に入れた意味がなくなる。部分的事実の必然を正確
に捉えるだけでは、それら事実相互の矛盾は、結局彼を再び過去の
世界に引き戻し、飢えにおとしいれぬとも限らぬのだ。それにチョーク
にも寿命がある。世界を捉えなければならない。』

「事業」 / 安部公房 『壁』
 
『私は最近のアメリカにおける豚の屠殺工場を参考にして、生きたままの人間を
全く人手をかけず、すべて機械の自動的操作により、機械から出てきたときには
ソーセージになっているという方法を発見した。
これは非常に意義ある発見ではないか。(中略)私はこの機械をユートピアと名づけた。
なぜなら、私はこの機械の入口にユートピアという看板をかかげ、美しく飾り付けをし、
大々的に宣伝をして、ユートピアを願う人間、すなわち、食用として以外には何の値打ち
もないような人間共を自発的に、自動的におびきよせようというつもりだからである。』

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